- 2008年9月18日 07:08
- 会社経営
GPTとは、ジェネラルパーパス・テクノロジーの略だ。
「日本の停滞を打破する究極手段」という副題で
早稲田大学院の野口悠紀雄教授とアスキー総合研究所所長の遠藤諭氏
の共著により本が出版されている。
GPTを邦訳すると「一般目的技術、汎用技術」となる。
各産業で横断的に使用され、さまざまな用途に使用しうる技術のこと。
我々が仕事として携わっているITは、このGPTにあたるそうだ。
IT以前のGPTの具体例としては、電力・電気や内燃機関、蒸気機関、
鉄道、自動車などがその例とされる。
経済史家ポール・デイビットによると、
GPTは経済活動に不連続的な大変化をもたらす。
その変化は、一国全体、あるいは地球全体という広がりをもつ。
しかし、その反面、その利用には社会的なインフラが整備される必要が
あるので、効果が現れるまでに時間がかかるそうだ。
したがって、その導入時期には、
GTPが社会経済に及ぼす影響は正しく評価されない。
確かに、海外や日本で起こったネットバブルを見ていると
その通りだと思う。
もともと、小生はITは単なるツールだと考えている。
したがって、本来それ自体がビジネスモデルになることはありえない。
ネットバブル期だけでなく、最近でもIT自体が、
新しいビジネスモデルであるかのような誤解が残っているように思う。
ちょっとしたアイデアでウェブサイトを立ち上げたら、
たまたまアクセス数があがり人気のサイトになり、世間から持てはやされて
IPOしたり、必要以上の資金が集まってしまうケースが多い。
しかし、そうした潮流に乗ってIPOした結果、
いつの間にかサイトの人気もなくなり、
新しいアイデアもなかなか出てこず、苦労している会社も多い。
ITはまだまだ黎明期なので、日進月歩で新しい技術やアイデアが
生み出されている。
消費者は新しいものには直ぐに飛びつき、そして直ぐに飽きてしまうので
なかなか長期間人気を維持することは難しい。
ましてや、ITのおかげで、消費者はマスコミ以外に
情報収集する有力な手段を得た。
その分、消費者の選択肢も大きく広がっているわけで、
そうした消費者を長く惹きつけておくには相当の努力が必要だ。
一方で、メールやEC、Web予約といった汎用的な機能は、
携帯やゲーム機の普及によってますますその裾野を広げつつある。
この本の指摘の通り、ITがGPTだとすれば、
その周辺ビジネスも含めれば、きっと大きな産業になる。
したがって、当社のような受託ビジネスはなくならなし、
ITの新しい活用方法やアイデアが増えれば増えるほど
当社の仕事も増えてゆくのではないかと期待している。
いわゆる「風が吹けば桶屋が儲かる」的な発想だが、
基幹産業を支える会社になれれば良いと思う。
なお、余談だが、この本によると日本は欧米に比べ、
このITには適合できない組織らしい。
日本型組織=年功序列では、ITにあまり理解のない
年寄りの経営者が企業を牛耳っている限り、
ITを積極的に経営にとりいれようという発想にならないからだそうだ。
GPTは組織や社会の構造と密接な関係があり、
ある種の組織では、ある種のGPTとは不適合である。
社会組織に大きな変革がないとGPTを導入できないというのが
この本の趣旨だ。

