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2008年12月 Archive
社会人の意味
- 2008年12月17日 14:17
- 会社経営
最近50万部以上売れている本に、羹尚中の「悩む力」がある。
その本の中に、"何のために「働く」のか"という章があり、
そこに、次のような内容が書かれていた。
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「人が働く」という行為の一番底にあるものは、
「社会の中で、自分の存在を認められる」ということです。
社会というのは、基本的には見知らぬもの同士が集まっている集合体であり、
だから、そこで生きるためには、他者から何らかの形で仲間として
承認される必要があります。
そのための手段が、働くといことなのです。
働くということによって初めて「そこにいていい」という承認が与えられる。
働くことを「社会に出る」と言い、働いている人のことを「社会人」と称しますが、
それはそういう意味なのです。「一人前になる」とはそうい意味なのです。
社会の中での人間同士のつながりは、深い友情関係や恋人関係、
家族関係などとは違った面があります。
もちろん、社会の中でのつながりも「相互承認」の関係には違いないのですが、
この場合、私は「アテンション(ねぎらいのまなざしを向けること)」というような表現が
一番近いのではないかと思います。
ですから、私は「人は働かなければならないのか」という問いの答えは、
「他者からのアテンション」そして「他者へのアテンション」だと言いたいと思います。
それを抜きにして、働くことの意味はありえないと思います。
その仕事が彼にとってやり甲斐のあるものなのかとか、
彼の夢を実現するものなのかといったことは次の段階です。
そして、もう一つ言えば、このアテンションという「承認のまなざし」は
家族ではなく、社会的な他者から与えられる必要があるのだろうと思います。
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小生には、これは単に「働く」意義を語っているだけでなく、
「人として生きる」意義と同じことのように思う。
昔、小生も人は何のために生きているのかということについて真剣に考えたことがある。
ちょうど、20歳から30歳になる時期だった。
当時、小生は大手コンピュータメーカーでそれなりの仕事をさせてもらっていたが、
どうもそこが自分の居場所では無いような気がしてずっと悩んでいた。
社外の友人はどんどん独立したり、自分の夢のために転職したりしている時期で、
小生だけが取り残されているという焦燥感と、
30歳を目前にして、自分のやりたいことが見つかっていないことへの不安で
日々悶々として暮らしていた。
そうした、空虚な気持ちから人生の意味、生きる意味を考えるようになった次第だ。
過去の偉人の伝記や、哲学的な本にも救いをもとめて読み漁った。
そうした中で自分が一番納得できたのが、仏教の本だった。
仏教の教えの中に、"人は自分で生きているのではなく、
人は他の人によって生かされている"という趣旨の言葉がある。
自分の力だけで生きていると思っているうちは、まだまだ半人前で、
いろいろな人の力によって生かされていると認識しなければならない。
周知の通り、今目の前に見えている世界は、人の脳が作り出したもので
実際に目の前に存在するかどうかを証明するすべは無い。
従って、つきつめて言えば自分自身がそこに存在しているかどうかさえ証明できない。
自分の存在を確かめられる唯一の手段は、自分に接している他人によってである。
その他人ですら、自分の脳が作り出した虚像かもしれないが、
少なくとも、自分の行動によって他人が反応し、かつその反応が自分の思い通りに
ならないことによって、自分も生きているような感覚を持てる。
すなわち、他人は自分の存在を証明してくれる鏡なのだ。
それが、羹さんの言うところの「アテンション」なのだろう。
人は欲望の塊だから、他人を蹴落としてでも金持ちや名誉を得て成功したいと願う。
やり甲斐のある仕事をしたい、夢を実現したいと思う気持ちもその一端だと思う。
しかし、そうした自分のためだけの目的は、人が生きる最終目的にはなり得ない。
自分の存在を証明すること、そのためには他人への「アテンション」が最も重要だ。
大金持ちで、なんでも自由になり、人もうらやむ様な生活ができるけど、
無人島に一人で住んでいる人生。
一方、生活は貧しいが、多くの人に囲まれて生きている人生。
どちらが、幸せだろう?

